制作日誌02「ちょっと途方に暮れそうになった話 」part03完結篇
2017年 06月 09日
●制作日誌02「ちょっと途方に暮れそうになった話 」part03完結篇
― 承前 ―
これを見せたことで、どうも混乱を招いてしまったようだ。
作者としては御本人の印象のようなものを探ってみるつもりで描いたのだけれど、これを見せられてどう思うか訊かれてもそりゃあ困るだろう。簡単なスケッチとはいえ写真を見て描いたのだから「どれも似てる」のは当たり前。年齢の違う写真で頭骨の印象を確認したかったのだけれど、その話をしても「若い時から額は後退してたよね」から思い出話が始まった。結局「B」に落ち着いたのだけれど、このスケッチのもとになったものは結構なピンボケである。
振出しに戻ったようなちょっと疲労感の伴う気持ちでもう一度お借りした写真を見直してみると////////「顎がしゃくれていた」という話があったよな・・・・・・/////////////顎がしゃくれていることは認識していたものの猪木じゃないんだから・・・・・。しかし、そう思ってみるといちばん頼りになる還暦祝いのときの写真が少し違って見えた。つまり、顎が以前よりもしゃくれて見えた。少なくとも見え方に新鮮さが伴うのはいい事である。この新鮮さが消えないうちに描いてみることは描く上では非常に大事なことなのだ。
左が最初に描いたもの、右側がこの度描いたもの。精悍さが増している。自信があった。理由の説明は難しいけれど、時々感じる「訳の分からない自信」である。即OK。スタート。この勢いで完成までこぎつけること。
「似る」とは不思議な現象である。理屈では説明できない。だから描くにあたっては方法論に還元できない。だからおもしろい。描き始めてすぐ「似る」こともあれば、時間ばかり掛かっていつまでも「来ない!」こともある。数枚描いて色々な方に意見を伺い、結局は自分が混乱してしまったこともある。しかし、仕事である以上「似せ」ねばならない。
by pasthh
| 2017-06-09 18:59
| pet pet art 作者の視点